Dな諸兄の多くは、肉好きである。だが、その周囲にいる人々が必ずしも肉好きとは限らない。ある人々は「肉は胃が疲れる」と言う。そういう人と、ぜひこの店に行ってほしい。伝統的な韓国宮廷料理と、焼肉を組み合わせた『宮廷焼肉 千の花』は、肉は滋養食だと実感させてくれる、貴重な店なのだ。
韓国の宮廷では昔から、王や皇子たちの健康のために、積極的に料理に肉を取り入れていた。ただ闇雲に肉を食べるのではない。“薬食同源”の考え方に基づき、さまざまな食材と組み合わせることで、身体に優しい肉の摂り方を編み出してきたのだ。
最初に運ばれてくるのはごく少量の薬膳粥と、時季の野菜や野草を使ったナムル。アルカリ性の食材を摂り、粥で胃を温めることで、肉と脂を受け入れる態勢を作るのだ。高麗人参や卵、野菜を小さなお焼きで包んで食べる九節板は、彩りも美しく、食欲を目からも刺激してくれる。繊細な宮廷料理に続くのは、いよいよお待ちかねの肉だ。
この店では、米澤牛をメインに、その時季食べごろを迎える上質な和牛のみを提供している。タンが本来持つ、深い味わいを楽しむためというこの厚みには、どんな焼肉通も驚く。
また骨付きのヤンニョムカルビの美しいサシの入り具合には、思わず見ほれてしまうだろう。こちらは門外不出の秘伝のタレで、じっくり甘みと旨みを味わってほしい。筆舌しがたい美味しさとはまさにこのことだ。ユッケは松の実や梨とともに塩で。梨の甘みと脂の旨み、甘美なる混沌の味は推して知るべし、である。
コースの締めはコングッスかビビンバ。どちらも絶品中の絶品だが、豆乳を使った麺であるコングッスは、この店の自慢の一つ。はずせない一皿だ。
さて、ここまで来たら、「肉は…」と言っていた同席者に「どう?」訊いてほしい。おそらく「肉って美味しいねえ」と、心から答えるはずだ。肉が上質で脂がよいことももちろんだが、「健康な身体をつくるための食べ方」が大切。本来「滋養食」として愛されてきた肉を身体が堪能し、その満足感は心までじんわりと温かくなる。食の喜びこれに極まれり、である。
薬食同源の想いはランチにも。季節の野菜を中心としたナムルなどを8皿添え、メインとなる肉料理とともに、健やかな身体作りに欠かせないものばかりをそろえている。
東京都港区台場1-3-5シーリアお台場1F
TEL:03-3599-6662
URL:http://www.sennohana.com
営業時間:
火~日 昼11:00~17:00(ラストオーダー16:00)
夜17:00~23:00(ラストオーダー22:30)
朝粥(日曜限定)7:00~11:00(ラストオーダー10:30)
定休日:月曜